日射量データベースから太陽光発電量を算出 ーベランダ太陽光発電所への道6ー
我が家のベランダは西向きであまり日照時間が長くなく、それに伴い発電も主に午前中に実施されることがわかっています(6:00~11:00)。
発電したい電力量がわかっていて、設置場所の日射量がわかっていれば、どのくらいのサイズのソーラーパネルを購入すればいいかが前もって見積もれます。
各地の日射量はデータベースとして公開されていますのでここでは日射量から発電量を見積もる方法を紹介します。
目次
日射量データベース
国立研究開発法人NEDOは各地の各種日射量データベースを公開しています。
https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html
- 年間時別日射量データベース(METPV-11)
各地の時間、方角、パネル傾斜角度による日射量(M J /$m^2$)が算出できる
- 年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)
各地の方角、パネル傾斜角度による月間平均総日射量(kWh /$(m^2・day)$)が算出できる
- 全国日射量マップ
射量データを日本地図上にマップ化したものを表示
発電量算出
ここでは年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)を用いて一日当たりのソーラーパネル発電量を見積もってみたいと思います。
データベースにアクセスしてMONSOLA-11を選択。場所は札幌にします。
表示データ選択で年変動を選択すると月別、年平均、季節別の日射量の最大値、平均値、最小値が表示されます。
パネルの方角や設置角度によって日射量がかわるために最大最小の振れ幅があります。
札幌の場合、年平均で3.37kWh /$(m^2・day)$の日射量となります。つまり1日当たり1$m^2$の敷地に3.37kWhの太陽エネルギーが降る注ぐのです。
ソーラーパネルの定格出力は1kW /$(m^2)$の光を照射したときに出力される電力量を示しています。JISかなんかの規格で決まっているようです。
つまり12Wのソーラーパネルは1kW /$(m^2)$の光を照射すると12W出力します。
発電量算出
発電量は以下の式で算出できます。
発電量 = 日射量 × ソーラーパネル定格出力 × 損失係数
損失係数はソーラ定格出力の誤差などで一般的に75%程度で考えるようです。
例えば12Wのソーラーパネルを札幌に設置して得られる年平均の発電量を見積もると
発電量 = 3.37kWh /$(m^2・day)$ × $\left(\frac{12W}{1kW /(m^2)}\right)$ × 0.75 = 3.37 h/day × 12W × 0.75 = 30.3 Wh/day
年平均で1日30.3Whの電力の発電が見込めるというわけです。
その他表示データ
表示データを角度指定にするとパネルの方角や傾斜角が指定できそれぞれの日射量がグラフに出力されます。
例えばパネルを西向きにすると上図のようにパネル角度による月別、年平均、季節別の日射量が表示されます。
冬は太陽が低いのでパネルの角度依存は小さいなど様々な情報を得ることができて設置方角や角度の決定に大いに参考になることでしょう。
おわりに
ここでは日照量データベースから発電量を算出する方法を紹介しました。データベースを使用すれば必要発電量からパネルの定格出力や台数を見積もることもできるでしょう。また設置角度や方角も前もって設計が可能となります。
非常に便利なデータベース。賢く利用したいものです。