
シリアルリンク 2足歩行ロボットの製作7 ー メタル歯車検討 ー
前回は 0.2mmノズル でPLAとPETGフィラメントの歯車を3Dプリントして検討いたしました。
ロボットのヒザモータに0.2mmノズル製歯車を導入し、ロボット動作の検討と並行して強度評価を実施しておりました
しかし本日(2025/7/22) ロボの動作確認中にPETG製の歯車が欠けて壊れました。。。
PLAよりPETGのほうがモロいとかではなく、本ロボのヒザにはかなりの負荷がかかるようで樹脂系の3DPギアはそもそも厳しいということだと思います。
人間もヒザは故障しやすいしねぇ。。。
すると本日、前回の歯車検討と並行で進めていてJLC社に製造発注していたチタン製歯車が届きました。
なんと素晴らしいタイミングでしょう。
ここではこのチタン製歯車の発注からロボ導入までの報告をさせていただきます。
目次
歯車強化検討
前回も報告した通り本シリアルリンク2足歩行ロボットの製作において、ヒザモータの歯車の強化は必須項目となっておりました。
モータのギアがたまに欠けて壊れるから
こいつも金属にしたい pic.twitter.com/FmqddNVh5K— HomeMadeGarbage (@H0meMadeGarbage) June 30, 2025
前回は3Dプリントの樹脂素材と印刷精度を向上して強度検証しましたが、先駆けて歯車のメタル化の検討も実施しておりました。
JLCCNC
以前JLC社のCNCサービスでモータギア固定具をアルミで制作しています。
同様に歯車製作も依頼してみました。
しかし、CNC加工するにはサイズが小さいとのことで断念しました。
アルミCNC 最低加工サイズが 30mm×20mm×8mm とのことです。
その際にJLC社では金属3Dプリント加工も実施しており、歯車製作が可能であることを提案していただきました。
JLC3DP
金属で3Dプリントなんて可能なのか!と驚きつつ早速 発注させていただきました。
見積ページに歯車のSTLファイルをアップロードして、オーダーしました。
先方でファイル確認後製造が進みます。
CNC加工よりも安くて驚き (だいたい半額くらい)
金属3Dプリンタには2種の加工サービスが用意されていました。
- SLM (Selective Laser Melting) 選択的レーザー溶融
素材:ステンレス、チタン
金属粉末をレーザ照射で溶解しながら積層
- BJ (Binder Jetting)
素材:ステンレス
金属粉末をノリで固めて、あとで焼いて完成させる方式
ここではSLMのチタンを選択しました。
JLCのチェックで歯車データに直線サイズ1.5mm以下の部分があると報告がありました。
しかし修正が難しいので品質リスクがあることを承知で製造を進めてもらいました。
そして冒頭の通り本日(2025/7/22) 加工品が到着いたしました。
デザインルール違反してるので少し不安だったのですが非常にきれいに仕上がっています。
触った感じ頑丈で軽いです。
すげーな!チタン製のギアやぞ
ちなみにSLM 金属3Dプリントの動画を参考までに載せときます。
チタン製歯車実装
到着したチタン歯車をロボに実装しました。
すべてのモータギアをチタン製に交換しました。
チタニウム3DP歯車
ロボがかっこよくなった。
メタルってすごいな #JLC3DP pic.twitter.com/XMwPuHakMW— HomeMadeGarbage (@H0meMadeGarbage) July 22, 2025
製造精度も非常によく0.2mmノズルで出力した樹脂フィラメント品となんら遜色なく、ほぼ元のSTLファイル通りといえます。
問題なく動いた。
モータギアをチタニウム3DP製に変更
動きが硬質になり安心感がある#JLC3DP pic.twitter.com/lw8Sxi3n2z— HomeMadeGarbage (@H0meMadeGarbage) July 22, 2025
しばらくこれでロボットの動作検証と並行して歯車の強度確認も実施したいと思います。
さすがにチタンだから壊れることはないと思うけどねぇ
おわりに
ここではチタン製の3Dプリント歯車を製作し、ロボに導入して味見してみました。
金属で3Dプリントなんてできるんだね。
精度も申し分ないしCNCより安く細かい部品が作れるので今後の工作の良い調味料となりそうです。
これでギアが壊れることに対してビクビクすることはなくなりそうです。
安心してロボの動作検証を進めていきたいと思います。