バッテリレス超簡易監視カメラ

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HomeMadeGarbage Advent Calendar 2022 |5日目

2022年 SPRESENSE 活用コンテストに参加するべくSPRESENSEを用いた超低消費電力の監視カメラを製作したので報告いたします。

 

概要

カメラの構成は以下の通りです。
バッテリレスでソーラ直接駆動による監視カメラを目指します。
撮影した画像はサーバにLTE携帯網でサーバに送信します。
サーバは自宅で立ち上げているラズパイ2サーバを使用しました。

開発の流れは以下の通りです。

  • SPRESENSE-LTEモジュール通信確立
  • カメラ込みでの低消費電力化
  • ソーラ選定
  • 長期安定動作確認

LTE-Mモジュール

通信モジュールはM5Stack UnitCatMを使用しようと考えていたのですが、、、

SPRESENSEとの通信を速くしたいと欲張り、モジュールのボーレートを2900000bpsと高速設定してしまい制御通信できなくしてしまいました。。。(´;ω;`)ウゥゥ

しょうがないのでUnitCatMと同じ通信モジュール SIM7080Gが搭載された評価ボードを使用することにしました。
制御コマンド用ボーレートはマイルドに230400bpsとしました。

通信動作

カメラモジュールを接続してサーバへのhttp送信を目指します。

SIM7080Gのhttp通信では大容量データは送れないので、ここではJPEG画像 (QVGA : 320×240)を4KBづつに分割してサーバに送信することにしました。

撮影画像をサーバに4KBづつHTTP PUT送信して最後にデータ送信終了信号をGET送信してサーバ上でデータをマージして画像保存します。

 

消費電力

画像撮影とサーバ送信動作が確認できたので消費電力を測定します。
カメラは撮影後に10分スリープして起床して撮影を繰り返すようにしました。

1時間当たり5回画像を送信して消費電力は116mWhと非常に低い結果となりました。
LTE-MモジュールもSPRESENSEの3.3V出力から給電しているのでスリープ時には停止します。

消費電流のピークはデータ送信時で入力電圧が10Vで約140mA、5.5Vで約220mAでした。

非常に低い消費電力での動作が確認できましたのでソーラ直接駆動が実現できそうです。

ソーラパネル選定

ソーラパネルとSPRESENSE電源入力の間に昇降圧DC-DCコンバータ SC8721を使用しました。ソーラパネルから供給される電圧を4Vに変換してSPRESENSEに給電します。
SC8721は入力電圧範囲が2.7V~22Vと非常に広く、幅広い種類のソーラパネルの採用が可能となります。

カメラシステム自体の消費電力は非常に小さいのでデータ送信時のピーク電流さえまかなうことができれば小型のソーラパネルでも駆動可能のはずです。

実験に際してカメラは100均のプラケースに収めました (防水機能はゼロですww)。

DCDC出力に大きいコンデンサを接続してピーク電流をまかなおうとしましたが、あまり大きな効果はなく電解コンデンサ1000uFほどつけておけば十分な印象でした。

 

1W~5Wの色々なパネルを購入して実験してみました。


1W ソーラは標準電圧:5.5 V、標準電流:170 mAと若干能力が足りずSPRESENSEは動作しましたが
LTE-Mモジュールの通信までは駆動できませんでした。

 

2Wソーラでは問題なく画像送信動作を確認することができました。

 

 

サーバに届いた画像

撮影動作

ベランダに置いて、長時間の撮影動作も確認いたしました。
お母ちゃんにサーバに届いた画像をブラウザで一覧で見れるようにしてもらいました。

 

我が家のベランダは東向きで午前中の短い時間でしか直射日光が当たらないのですが、日照時の撮影を確認することができました。

ソースコード

SPRESENSEのCPUクロックを32MHzにおとして消費電力を低下させています。

SPRESENSEからLTE-MモジュールにATコマンドを入力して画像データ送信制御を実施しています。
SPRESENSE-LTE-Mモジュール間のボーレートは230400bpsとしました。

SPRESENSEの大まかな動作は以下の通りです。

  • 起床後にLTE-Mモジュールを起動(モジュールのPWRピンにLOWパルス入力)
  • カメラ撮影
  • モジュールとのコマンド通信確立後にHTTP通信設定
  • 撮影画像をサーバに4KBづつHTTP PUT送信
  • 画像データ送信終了後にデータ送信終了信号をGET送信
  • 10分スリープ

LTE-Mモジュール起動後 3分経ってもデータ送信が終了していない場合はエラーとみなして強制的にスリープさせています。

サーバは画像データを4KBづつ受け取り、データ送信終了信号がきたらデータをまとめてJPEGファイルとして保存します。

おわりに

ここではSPRESENSEを用いてバッテリレス超簡易監視カメラを製作しました。
SPRESENSEの省エネ特性により太陽光発電のみで非常にコンパクトな監視カメラの実現ができました。

システム自体が軽量なのでどこにでも持ち込むことができ、設置も容易です。
日照があれば画像を送信し続けます。
山奥のアナログメータの監視や平地の少ない険しい土地の環境監視などに使えるのではないでしょうか。

本監視カメラは日照がある限り画像を送り続けるという発想で製作し、AIなどによる画像認識を行う際にはサーバ側での実施を想定しています。

しかし、SPRESENSE自体の性能も高く、専用の夜間撮影可能な専用高感度カメラも販売されておりますのでバッテリ搭載の本格的監視カメラへの応用も可能です。
エッジAIを用いて画像認識を現場で行う高機能動作もできるでしょう。
例えば野生動物を検知したり川の水位を画像から判断して緊急時には撮影頻度を上げるなど。

SPRESENSEの応用は多岐で大きな利益があると今回の製作を通じて実感できました。

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