ロボット犬『Mini Pupperミニぷぱ』を ATOM Matrix で堪能

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前回はミニぷぱのコントローラにESP32を採用し、足を自由自在に制御できるようになり4足歩行についての理解を深めました。

ここではコントローラにIMUを内蔵したATOM Matrixを使用してみましたので報告いたします。

 

 

ATOM Matrix

4足歩行について理解が深まりましたので、次は以下を再現してみたいと考えました。

恐らくIMUセンサで姿勢を検出して足の高さを制御して、機体を平行に保っているものと思われます。

 

これまでのESP32を使用した機構にIMUセンサを追加しようとも思ったのですが、
ESP32-PICOとIMUセンサ MPU6886がコンパクトに内蔵されたATOM Matrixを使用することにしました。

コントロール基板

SHISEIGYO-1 専用基板PCA9685モジュールを用いてコントローラを構築しました。

 

注意点

ATOM MatrixとPCA9685モジュール間のI2C通信として
Wire.begin(22, 19); //SDA, SCL
を使用しました。

ATOM内蔵の MPU6886は
Wire1.begin(25,21);  (https://github.com/m5stack/M5Atom/blob/master/src/utility/MPU6886.cpp)
でI2C通信しているのでPCA9685モジュールとの干渉は心配ありません。

但し、M5Atomライブラリを用いて
M5.begin(true, true, true);   (Serial Enable, I2C Enable, Display Enable)
でI2Cを初期化してしまうと
Wire.begin(25, 21, 100000UL);
が実行されPCA9685モジュールと干渉してしまうので
M5.begin(true, false, true);
とする必要があります。

アドレスが違うので同じI2Cピンを用いても良いのですがMPU6886とPCA9685モジュールの既存のライブラリを使用したく、そのライブラリでWre設定がなされてるので通信ピンを分けました。
今後 高速化のためにコアを分けることも見据えております。

動作

ATOM Matrixでも問題なく歩行動作を確認できました。

 

平行制御

いよいよIMUセンサをもちいて機体を平行に保つ制御を実現させます。

ATOM MatrixのIMUの座標軸は以下のようになっています。

X軸とY軸の姿勢角をセンシングして足の高さを制御します。
それぞれの軸の姿勢角と角速度にはカルマン・フィルタを用いました。
 https://github.com/TKJElectronics/KalmanFilter

1軸制御

まずは1軸 (Y軸)での制御を実現させます。
なかなか制御がうまくいかず。。

 

いろいろ制御方法を試行錯誤してる際にサーボが暴走しPCA9685モジュールの逆起電力防止PMOS燃えて動かなくなりました。。煙出たから。。。

しょうがないのでPMOS外してショットキーダイオードをぶち込みましたww
あくまで再購入品が届くまでの応急処置です(しかし こういったイレギュラーな状況下での対応にエンジニアの差というものが出ます)。

 

P制御

センシングしたY軸の角度θYから機体を平行にするための足の移動量hYを以下で算出し制御してみます。

hY=hY1+KpY×sinθY

hY1 KpY

姿勢角から高さ変化量を導出して随時足して目標値に収束させます。
sinをとる必要はなさそうですが何となくそうした。

 

地面の傾きに追従して機体を平行に保とうとしますが、まだぎこちないです。

 

PD制御

さらにY軸の角速度ωYもフィードバックさせてみます。

hY=hY1+KpY×sinθY+KdY×ωY/100.0  KdY

係数KdYが大きい値にならないように100.0で割っています。

 

かなりヌルヌルと追従できるようになしました!

2軸制御

同様にX軸についてもセンシングして足の高さを制御し、2軸での平行追従制御を実現させました。

 

おわりに

IMUを内蔵したATOM Matrixをコントローラに採用することで、やってみたかったバランス制御が実現できました。

IMUのYaw角センスで旋回制御して常に同じ方向を向くのもやってみたかったのですが、MPU6886のドリフトが大きく実現できませんでした。
違うセンサでいつか実施したいですね。

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ロボット犬『Mini Pupperミニぷぱ』ATOM Matrix で動作再検討

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